【大会長講演】
• がんのリハビリテーションの多様性
演者:杉浦 英志(名古屋大学医学系研究科総合保健学専攻 教授)
【基調講演】
• がんのリハビリテーション診療 最新のトピックスと今後の展望
演者:辻 哲也(慶應義塾大学医学部リハビリテーション医学教室 教授)
【教育講演①】
• がん患者の再発予防と健康寿命延伸に対する運動(身体活動)の可能性
演者:小野 玲(国立健康・栄養研究所 身体活動研究部 部長)
<要旨>
がんの早期発見、治療技術の向上により予後が改善している一方で、治療侵襲により退院後も元の生活に戻れない場合も多い。特に高齢がん患者はその影響が大きいことが知られている。運動は、一部のがんの発症リスクを下げることが明らかになっているが、再発予防や機能維持の観点からも、その有効性が期待されている。
本講演では、がんの予防に加え、治療後の再発予防や健康寿命延伸に対する歩数、強度と実施時間に着目した運動、座位時間の最新知見を紹介する。
【教育講演②】
• がんと摂食嚥下障害
加賀谷 斉(国立長寿医療研究センター リハビリテーション科 部長)
<要旨>
摂食嚥下障害は口腔から食道までの摂食嚥下に関わる臓器の障害であり,がんでは頭頸部がん,食道がんなどによる直接的な障害,化学療法,放射線療法の影響,さらには機能的障害や全身状態の悪化により障害を生じることもある.摂食嚥下は日常生活活動に直結するため,活動を対象とするリハビリテーション医療では重要なテーマであり,適切な評価を行い,評価に基づいたリハビリテーション治療が必要である.
【教育講演③】
• これからのがんリハビリテーション医療に必要な「がんロコモ」という観点
演者:河野 博隆(帝京大学医学部整形外科学講座 主任教授)
<要旨>
がんとの共存期間が延長し、がん患者も社会に参加し生活を継続するという大きな変化が生じている。自立した生活の維持には、移動機能が極めて重要である。
がんロコモは「がんが影響し移動機能が低下した状態」を示す。がんロコモを知れば、意識が変わり、行動が変わる。そして、がん患者のQOL、QODが向上し、「最期まで自分の足で歩く」生活が実現する。運動器管理は、がん患者の運命とがん診療のあり方を一変させるポテンシャルを秘めている。
【教育講演④:ランチョンセミナー(共催:松本義肢製作所)】
• 緩和ケアにおけるリハビリテーション医学・医療の重要性
演者:下山 理史(愛知県がんセンター緩和ケア部 部長)
<要旨>
緩和ケアの目的はQOL向上でありリハビリテーションでも同じである。現代医学では手術・薬物療法など患者への侵襲的手立てが主流であり患者や家族もそれを求められるが、改善できることは多くない。緩和ケアでは有形無形の治療・ケアにより苦痛を軽くし日常生活を送れるよう工夫する。その重要な手立てを担うのはリハビリである。またその際交わされる会話で癒される患者は多い。本講演では、リハビリの重要性を一緒に考えたい。
【教育講演⑤:ランチョンセミナー(共催:ジョンソンエンドジョンソン)】
• 脊椎腫瘍に対する手術療法
演者:安藤 圭(日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院整形外科 脊椎脊髄外科 副部長)
<要旨>
固形がん、血液がんは、治療法の進歩に伴う生存期間の延長、画像診断機器の発達により、日常診療の場において骨転移に遭遇することが多い。脊椎転移に対する手術治療、リハビリテーションを含む早期の治療介入によりADL、QOLの向上が得られることは周知の事実である。本講演では、転移性脊椎腫瘍に対する適応、低侵襲手術を含む各種術式について供覧する。
【シンポジウム:周術期がんリハビリテーションの多様性】
• 高度侵襲外科手術を行う消化器がん患者における術前介入の方策
演者:中島 裕貴(名古屋大学医学部附属病院 リハビリテーション部)
• 胸部食道癌に対する外来リハビリテーションの現状と課題
演者:佐藤 弘(埼玉医大国際医療センター 消化器外科)
• 食道癌根治術後患者に対する言語聴覚士による嚥下リハビリテーションの介入効果
演者:髙津 淳(愛知県がんセンター リハビリテーション部)
• 転移性骨腫瘍術後の退院支援について
演者:藤井 美希(大阪国際がんセンター リハビリテーション科)
【シンポジウム:がんリハビリテーションにおける多様なリスク管理】
• がんリハビリテーションにおける代表的な有害事象
演者:小澤 里恵(亀田総合病院 リハビリテーション科)
• リハビリテーションにおける循環器リスク
演者:大島 英揮(豊田東リハビリテーション病院 心臓血管外科)
• がんリハビリテーションにおける誤嚥のリスク管理
演者:青山 寿昭(愛知がんセンター 看護部)
• 免疫関連有害事象(irAE)とリハビリテーションにおけるリスク管理
演者:土方 奈奈子(国立がん研究センター東病院 リハビリテーション科)
【シンポジウム:復学・復職を支えるがんリハビリテーションの多様性】
• がん患者に対する就学・就労支援として理学療法士の果たすべき役割
演者:米永 悠佑(静岡県立静岡がんセンター リハビリテーション科)
• がん患者さんの復職支援について
演者:野崎 由美子(愛知がんセンター 地域医療連携・相談支援センター)
• がんに伴う認知機能障害の評価と支援 -発達段階に応じた復学・復職支援の在り方を考える-
演者:田畑 阿美(京都大学大学院医学研究科 人間健康科学系専攻)
• 復学時の子どもの不安に寄り添う支援 -チャイルド・ライフの視点から-
演者:佐々木 美和(名古屋大学医学部附属病院 小児がん治療センター)
【パネルディスカッション:終末期がん患者のリハビリテーションの多様性】
• 終末期がん患者にリハビリテーションができること
演者:大森 まいこ(独立行政法人国立病院機構埼玉病院 リハビリテーション科)
• 多様性における理学療法士の役割
演者:吉田 裕一郎(宮崎善仁会病院 リハビリテーション部)
• 「生きた証を残すため」理学療法士が描いた絵本 -医療×絵本×伊豆半島-
演者:河原 一剛(順天堂大学医学部附属静岡病院 リハビリテーション科)